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ミーティングでの毛芯勉強会
投稿日:2019/10/26 16:28
台風19号の被害を受ける直前ですが、恒例のミーティングを行っておりました。
ミーティングでは当社の毛芯についての勉強会を毛芯メーカーである丸一商事株式会社の鈴木様、三橋様をお招きし行いました。
当店の使用している毛芯はジャケットの肩の前身、胸、ラペル、腰ポケット下まで入っており
これは、フルキャンバス(総毛芯)と言われ、縫製に掛ける手間、材料費が掛かるのですが
ジャケットのバスト、ラペル立体感、表地の風合いを活かす為に不可欠です。
現在、メインで使用している毛芯は、何度も改良を加え、ブラッシュアップをしていますが、元型は10年以上前に
丸一商事様、取引先メーカー様と共に時間を掛けて作り上げた物です。
イタリアのサルトが多く使用する当時人気の台芯を持ち込みその柔らかさを活かしながら、
日本の環境に合わせ、斜行補正、蒸気による変化、表生地の収縮に対応する為、
増芯の台芯の縫い付けは敢えて天然糸を使用するなど、試行錯誤を重ね開発しました。
前肩気味、立体的な当店のパターンに沿う様、毛芯自体に立体感が生まれる様に設計されていたりと大変、手の込んだ毛芯です。
その様な、特注の毛芯でしたが、今回の台風による浸水被害で、完全に水に浸かったそうです。
我々が台風の後に、工場に赴いた際には駐車場に何百着分もの毛芯が山高く積まれておりました。
原材料を中国から調達し、岐阜県の工場で毛芯を作成し、染色をするそうで納品までに本来は大変時間が掛かるそうですが
丸一商事様の計らいで、浸水直後に連絡を取り合い、縫製の再開までに間に合う様、
工場の再稼働の具体的なメドがたつ前から作成に動いてくれたそうです。
ミーティングの報告が、台風の被害報告の様にもなってしまいましたが、
沢山の方々のお蔭で、当店のスーツ作りは成り立っているのだと思いました。
縫製を行っていた社屋は、建て替えをする予定です。
その間は、同じ本宮市の高台にあり、無事だった社屋に一旦縫製ラインを移し、製造を再開する予定です。
当店での受注開始もそう遠くはなさそうです。ご注文中のお客様には大変ご心配をお掛けしておりますが、
いち早く良い報告を出来るように、努力しております。今しばらくお待ちください。
SATOTAILOR