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コートの好み
投稿日:2020/12/27 14:49
手前味噌ながら、当店のコートはイタリア風の柔らかい仕立てを好む方々に評判が良いです。
それは嬉しいことに、当店のお客様だけでなく、卸売り事業でのお取引先様からもお話をお聞きします。
理由として挙げられるのはラペルの仕立て方、ネックから肩先のラインの2点かと思います。
当店のジャケットは全て、総毛芯(フルキャンバス)で仕立てますが
ラペルは構造上、表側、裏側、合わせて2枚の生地が重なり、コートの様な厚い生地では厚みがある為、硬くなります。
コートのラペル関しては、敢えて生地の風合いを活かす為、ラペルの芯のみ使用せず縫製します。また、最終的なプレスは強く当てず仕上げます。それにより画像の様な、ボタンを外したときの自然なラペルの大きな反り返りが生まれます。
ロールの位置が安定していないとも言えますが、敢えてこの様に作成しています。
また、上衿から肩先のラインですが、こちらはマニカカミーチャを採用しているジャケットのパターンの中でも上衿ののぼり、肩先の丸みの強いパターンをコート用に改良したうえ、当店のナポリモデルの使用している極薄肩パッド(ほぼパッドと言えませんが)も使用せず仕立てています。それ故、肩先に自然な丸さが生まれます。全てのコートモデルがその様な設計になっている訳ではありませんが、当店のコートの多くはその様な構造になっています。
それは着用年数が長い程、その2つのポイントの特徴が強く表れてきます。
画像は納品前のU様のウールコートです。
SATOTAILOR銀座店
神林