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brisbane moss 正統派コーデュロイ
投稿日:2023/09/24 16:44
四谷店です。
店頭慣れの為の期間も含めて、SatoTailorに合流してからあとひと月ほどで1年となります。
9月から秋のシーズンがスタートしたらインスタに加えSatoTailor四谷店としてのブログアップもしようと思いながら、画像を撮るまでは良かったもののあっという間に9月ももう終盤。遅蒔きながらブログ、上げてみます。
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ただいまSato tailor 各店では「ラグジュアリーフェア」開催中です。フェアも残すところあと7日。ロロピアーナやエルメネジルドゼニアなどラグジュアリーな生地ブランドでオーダーをお考えなら今がお得です。
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といったフェア開催の中で、この秋なかなかしびれる生地の入荷情報もありでそっちを紹介したくなるのがわたくしです。すでにインスタでおなじみの方には慣れた流れかもしれませんが、ネクタイのようになんでも少しずらすのが私の癖でしてお許しください。
画像にあるのは英国ブリスベン モスのコーデュロイ。ハイ。ガッチリ、重い、です。中コールの方は680g。
そこがまた好きな人にはたまらない、質実剛健、正統英国コーデュロイです。
ある一定の期間でトレンド入りするコーデュロイ素材ですが素材ならではの、アイテムにするときに注意するべき特徴がいくつかありますのでそれをご紹介しておきます。画像をよく見ていただくとサンプルを正立で撮った画像(2番目の画像)と倒立で撮った画像(3番目の画像)とがあります。見え方が違いますよね。そうです倒立で撮ったものは色が濃く見えます。コーデュロイはご存じのように短い毛足があり、これを下向きにすると光って白く見え、上向きにすると色が深く見えます。商品企画をしている方や日本の縫製工場さんは、その日の夕飯のおかずの献立の事よりも生地の上下の向きの方を気にされて生きているぐらいなので(笑)常識的なことなのですが、コーデュロイは製品にするときの毛並みを上下どちらにするかに注意しないとなりません。
ここで唐突にクイズです。
服に仕立てる際にコーデュロイの毛並みは①↓下向き↓?②↑上向き↑?どちらが正解でしょう?
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答え:クイズにしたくなるぐらいなので予想がつきますが、ハイ、ここは逆張り、②の上向きが正解です。(ただし日本では、またはわたし的には:後述参照)コーデュロイやベルベットを服にする時には色が深く見えるように毛並みを上向きにして仕立てます。
大概の生地は毛並みがある場合、重力の向きに逆らわず毛先の向きも下にする加工指示を工場に出します。普段から先輩にそう言われ続けている既製品の新人企画者はまず大体の人が加工書にコーデュロイの毛並みを下向きにしてスワッチを貼ります。そうすると待ってましたとばかりに先輩企画者は新人企画者に対し生地の向きが逆だ!と怒鳴りつけるという図式が、これもまた常識のように繰り返されているんですね。確かに毛並みが上の方が色が深く見え、私もその方が良いと思います。
でも、「ところ変われば」と言う様に、これがイタリアになると違います。例えば北のベルベスト、南のイザイア、高級スーツに該当するこれらのブランドをどちらも相当数バイイングした経験がありますが、イタリアではコーデュロイやベルベットの毛並みは下向きに作るんですね。サンプルを見て毛並みが下向きだったので自分的にはどうも気持ち悪く、自分の発注分は毛並みを上向きにしてくれと依頼したのですが何度頼んでも回答は「NO」。また佐野がおかしな注文をしてきている、ぐらいの勢いでダメ出しを食らいました。「日本は上向きだ!」と言っても「日本はおかしい!」という回答に終始しましたので諦めました…。
Sato Tailor でオーダーする場合、特に四谷店でのご注文の場合は毛並みは上向きで作らせていただきます。下向きで作れるか。ここは調べておきますが、個人的には見え方として下向きはあまりお勧めはしません。どちらが正解なのか。結論は出なさそうです。日本だけのガラパゴス的コーデュロイ慣習なのかもしれませんが。
皆様のご来店をお待ちしております。